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介護保険制度について。

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前回、ADLやIADLについての記事を書きました。
自分自身のこれから先のことを考えるためにも、理解しておいた方がいい内容だったのですが、
ご両親が健在な方にとって、まず気になるのが、自分のことより親のこと ではないでしょうか。

そこで今回は、親の介護問題について考えてみました。

介護保険のについて

40歳を過ぎると、問答無用で徴収される介護保険。
40歳なんて、今から考えるとまだまだ若造でしたから、
年金も払って介護保険まで払わなければならないなんて、納得いかない!
などと憤慨していたのですが、
情けは人の為ならず(ちょっと違う)

そもそもの話、介護保険とは何ぞや、ということで、

介護保険の理念

・介護される方が、人間としての尊厳を保ったまま、自立した生活を営むことができるように、介護サービスを提供する(介護保険法第1条より)

・できれば要介護状態にならないよう予防に努め、なった場合も介護サービスを利用して能力の維持や向上に努める(同第4条より)

『できれば要介護状態にならないよう』とあるように、
あくまでもできる限り自立を図りながら、サービスを利用するための制度であるということですね。

介護サービスを受けるには

申請には時間がかかる

いざ、サービスを利用するとなると、まずは市区町村の窓口で要介護認定(要支援認定を含む)の申請をしなければなりません。

申請をすると、市区町村の職員などから訪問を受け、聞き取り調査(認定調査)が行われます。

日頃の生活状況、自立度を面談という形で調査されます。

その際に、張り切って、いつもより自立しているようにふるまってしまうことで、
介護認定が軽度に認定され、思うようなサービスが受けられない、
ということもままあったりします。

あれは何なんでしょうね😅

その後、一次判定、二次判定と進み、要介護認定が認められると、
やっとケアプランの作成に進むことができます。

ケアプランの作成

介護(介護予防)サービスを利用する場合は、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要となります。
このケアプランの作成も、介護度によってその依頼先が変わります。

  • 「要支援1」「要支援2」の介護予防サービス計画書は地域包括支援センター
  • 「要介護1」以上の介護サービス計画書は介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、県知事の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)

介護保険で利用できるサービス

介護保険で利用できるサービスは、その状況によって受けられる範囲が変わります。

  • 要介護1~5と認定された方が利用できるサービス(介護給付)
  • 要支援1~2と認定された方が利用できるサービス(予防給付)

介護保険の理念に基づいたものとなっていますね。

介護度認定基準

要介護度  状態心身状態の例
要支援1ほぼ自立している食事や排泄、入浴など基本的な日常生活は自分でできる。
  部屋の掃除など身の回りの世話の一部で見守りや手助けを必要とする。
  立ち上がりや片足立ちなどの動作に何らかの支えが必要な場合がある。
要支援2生活の一部で介護や介助を必要とする食事や排泄はほとんど1人でできる。
身だしなみなどの身の回りの世話で、見守りや手助けが必要になる。
歩くときに何らかの支えを必要とすることがある。
要介護1自分でできることが減り、
生活の一部で介護や介助を必要とする
起き上がりや立ち上がりが不安定で、何らかの支えを必要とする。
手段的日常生活動作
(電話の使い方、買い物、金銭管理、薬の内服など)の能力が低下している。
認知機能が低下し、混乱や理解低下が見られる。
要介護2要介護1よりも多くの場面で介助が必要自力で立ち上がったり歩いたりすることが困難な場合が多い。
排泄や入浴など基本的な日常生活においても、部分的に介護を必要とする。
要介護3生活を通してほぼ全面的な介護が必要立ち上がりや歩行などが自力ではできない。
排泄、入浴、着替えなどの日常生活でも全面的な介助が必要になる。
要介護4介護なしに日常生活を営むことが困難介護がなければ、食事や排泄などの日常生活もできない。
移動が難しく車イスを使用する場合が多い。
理解力が全般的に低下し、問題行動が見られることも多い。
要介護5介護なしには日常生活を送ることが
ほぼ不可能
寝たきりのことが多い。
日常生活全般で、すべての介助が必要になる。
理解力や判断力が乏しく、意思疎通も困難な場合が多い。
❝介護のほんね❞より引用

要支援1くらいだと、サービスを利用する必要はあまり感じないと思うのですが、
実際に母の介護で利用した感想からすると、
早めに越したことはない、と思います。
もちろん同居している場合など、ケースバイケースになると思いますが、
例えば、要介護5まで状態が進んでから、サービス利用しようとしても、
実際にサービス利用まで時間もかかるし、その間の家族の負担は相当なものになる場合があります。

介護給付で受けられるサービス

在宅サービス

ある程度自立している人向けの、在宅で受けられるサービスになります。

  • 訪問サービス…看護師やホームヘルパーなどに自宅に来てもらう
  • 施設を利用するサービス…デイサービスや施設への短期入所など
  • その他のサービス…車いすなど介護に必要なものの購入やレンタルなど

この中で、特にデイサービスの利用について、
まだまだ動けるうちは、自分たちの力で何とかしたいと思うもので、
本人もご家族もデイサービスの利用に抵抗を感じることもあると思うのですが、
介護はスタートしてから終わるまで先が見えない 
ということは念頭に置いて、同居であるならなおさら、ご家族の休息という意味も含め、
利用することはお勧めしたいと思います。

施設サービス

施設に入所する時の費用を負担してもらえるものです。
お金の問題も、介護問題を考える上では重要なポイントになると思います。

施設もいろいろなものがありますが、その費用の負担が軽減されるのはとても助かりますね。
これがあるために、施設によっては、本人の年金だけで十分に費用が賄えることができます。

地域密着型サービス

暮らしている地域でそのまま介護サービスを受けることができるサービスです。

グループホームなども含まれます。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、要支援1・2の人は利用できません。
また、新たに入所する要介護1・2の人もやむを得ない理由がある場合以外は利用できません。

まとめ

簡単に介護サービスを受けたいと思ったとしても、その手続きは煩雑で、
簡単ではないというのは経験からも感じました。
サービスを利用しようと思っても、今すぐ利用するというわけにはいかないので、
ぎりぎりまで我慢しない方がよいでしょう。

状態によっては受けられるサービスの範囲も変わってくるので、
事前にどのようなものなのか調べておくことも大切かと思います。

サービス内容については、想像以上に手厚いサービス内容になっていることに驚きました。
その人の状況によって、対応できるサービスがかなり充実した内容になっています。
ケアプランの作成が大切なポイントになると思いました。

言うまでもないことですが、介護給付を受けるには介護保険を収めていることが前提です。

詳しくは厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」をご覧ください。

備えあれば患いなし、ということで、
少しでも皆さんの老後について、お役に立てたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました🍀

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